アロマテラピーの精油

エッセンシャルオイルの働き

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①生理作用
植物界には、森林の中の一本の木に害虫が付くと、その木がある種の香りの物質を出して警告を発し、それを感知したほかの木が防御体制を整えるといった現象が見られます。香りは情報の伝達物質、あるいは他に行動を促すメッセンジャーといえるでしょう。それぞれのエッセンシャルオイルは鼻から脳下垂体へと伝えられ、様々な生理活性物質を介して、自律神経・内分泌系・免疫系の各システムメッセージを送ります。
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②心理作用
香りは脳の中で記憶を司る海馬というところに伝わります。ある種の香りに出会ったとき、「懐かしい」と感じるのは、脳に香りの情報が記憶されているからです。エッセンシャルオイルの香りには「温かい」「冷たい」「乾いている」「湿っている」「拡がる」「縮む」など様々なイメージをもたらすという報告もあります。
③抗菌作用
植物は病原微生物などから身を守るために自ら抗菌物質を出す能力を授かっているといわれています。エッセンシャルオイルの持つ抗菌力も、香りを空気中に漂わせるだけでブドウ球菌やサルモネラ菌といった細菌や白癬菌やカンジダなどの真菌の発育を完全に阻止できるくらいにきわめて強力です。また抗生物質が効かないウィルス類に対しても抗ウィルス作用があるともいわれています。
④生体リズムの調節作用
人間の様々な身体機能、睡眠やホルモン分泌などは1日、1ヶ月、1年といった周期でリズムを刻んでいます(体内時計)。この体内時計が脳下垂体の付近にあると考えられており、エッセンシャルオイルの香りがそこに及ぶと、乱れたリズムを正常に戻す働きをすると推測されています。



精油の製造方法

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精油はどのようにして作られているのでしょうか?
精油はそれぞれの植物によって抽出方法が異なります。
抽出方法を理解しておくことも精油を扱ううえで大切なことですので、理解しておいたほうがよいと思います。

①水蒸気蒸留法
原料のハーブをそのまま、あるいは砕いて釜に入れて、下から水蒸気を吹き込んで成分を気化上昇させます。この蒸気を管に集めて冷却すると蒸気は液化し、容器に液体がたまります。エッセンシャルオイルは、水の比重より軽いので上澄みとなって浮き、これを集めます。これが精油です。
②圧搾法
スイートオレンジやレモンなど柑橘系のエッセンシャルオイルをつくる方法で、果皮を手や器具で押しつぶして絞り出す方法です。
③溶剤抽出法
バラやジャスミンなどデリケートなエッセンシャルオイルを製造する方法です。まず花の香気をエーテルやヘキサンなどの揮発性溶剤に移行させてから、溶剤を揮発させて取り去るとコンクリートという固形物になります。これをアルコール溶剤で再び溶かして成分を移行させ、溶剤を飛ばして最終的に精油だけを残します。この方法で得られたものをアブソリュートといいます。



精油の希釈について

mil30096-s.jpgエッセンシャルオイルは植物の有効成分を濃縮してつくられたものなので、原則として原液は使用しません。マッサージなどの直接皮膚に触れる用途にはかならず薄めて使います。この薄めることに使う材料を基剤といい、マッサージの基剤としては植物油を使います。植物油に対するエッセンシャルオイルの割合は1~1.5%以内で薄めるのがよいとされています。

ただしこの濃度はあくまで目安であって、エッセンシャルオイルの種類や使用する方法によって多少異なります。適正に薄めたものであっても、まれに皮膚アレルギーを起こすことがあるので、、アレルギーの有無を確認するために※パッチテストをすると安全です。

※パッチテストの方法としては、まず基剤に使う植物油のみを二の腕やももの内側など肌の柔らかい部分に少量塗布し4~6時間様子を見ます。異常がなければ次にエッセンシャルオイルを指定濃度で植物油に希釈したものを同様にテストします。万が一かゆみや発赤などがあった場合は中止し、大量の水分を取って成分を体外に排出するようにしてください。



エッセンシャルオイルの保存と使用期限

04_005.gifエッセンシャルオイルには揮発性があり、空気中の酸素と結合して酸化がおこると、品質が劣化しやすくなります。よって使用後は必ず栓を固く閉め密封保存します。光や熱によっても変質しやすいため、遮光性のある褐色のガラス瓶に入れ冷暗所で保管してください。夏場は冷蔵庫で保存するとよいでしょう。エッセンシャルオイルの保存期間は、開封後、柑橘系は6ヶ月、そのほかは1年以内に使い切るようにしてください。薄めることに使う基剤の植物油もエッセンシャルオイルと同じ条件で保存し、ホホバ油は6ヶ月、そのほかは3ヶ月で使い切るようにします。またエッセンシャルオイルを植物油で薄めたマッサージオイルなどは2~3週間以内で使い切る分量をつくり、決して大量に作り置きしないようにしてください。



アロマテラピー精油の使用上の注意

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エッセンシャルオイルは濃縮されたものですから作用も強いので安全には特に注意しなければなりません。
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①注意すべきこと
2歳以下の乳幼児には原則としてエッセンシャルオイルを用いたオイルマッサージは行わずに、芳香浴やハーブティーの方法でケアしたほうがよいでしょう。妊娠中の方は専門知識のある人に相談して行うようにしてください。

②原液の使用と内服について
原液で使わないのが原則ですが、例外的にラベンダーとティートリーだけは狭い範囲に限って直接皮膚につける方法があります。(例:小さな火傷やにきびに綿棒に1滴たらして塗るなど)
内服は、フランスなどでは医療関係者の管理下で行われるケースもありますが、素人判断では危険ですので絶対に行わないでください。

③光感作
光感作とは精油成分が紫外線に反応してかゆみや発赤などのアレルギー症状を生じることです。このアレルギー反応を起こす可能性のあるのはベルガモット・スィートオレンジ・レモンなどの柑橘系とバーベナ・アンジェリカなどです。従ってこれらの精油を外出時、日光に当たる部分に使うのは避けます。

④ケモタイプについて
ケモタイプとは、同一の植物であっても生育する土壌や太陽光線の量などによってその植物から抽出されるエッセンシャルオイル中の含有成分の比率が著しく異なるものをいいます。



アロマテラピー精油の選び方

mil30030-s.jpg質の高いエッセンシャルオイルを使用することがアロマテラピーでは重要なポイントになります。購入する際のチェックポイントは、まず容器。容器については光で変色しないように必ず褐色ガラスびん入りで、さらにスポイト付きであれば、シリコン製を選んでください。次に容器のラベルを読んで以下をチェックしてください。
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①産出国または産出地域
エッセンシャルオイルの原料は天然の植物ですから、その品質の良し悪しは原料となる植物の生育した土地の土壌、水質、太陽光線の量に大きく影響されます。

②原植物名
植物名はその国の地域の俗称で呼ばれることが多く、混乱を避けるために世界共通の学名で表記されています。

③抽出部位
植物は、花部や葉部などその部位によって含有成分が異なります。どの部位から抽出されたかによって同一原料でも品質に差が出ます。

④抽出方法
同じ原料でも抽出方法の違いで呼称を区別しているものがありますので注意してください。

⑤含有成分の品質基準
エッセンシャルオイルは100種類以上の成分を含んでいますので、そのすべてを分析表示するのは不可能です。そこで品質の指標となる成分について含有量をはかり、これを基準としている場合があります。